なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか:その2|物流人材育成
親愛なる皆様
おはようございます。
先日のコラムで紹介した著書、
「なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか」が興味
深いので、もう少しだけ触れたいと思う。
「なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか?」の答えを、
「ほとんどのビジネスパーソンが自分の弱さを隠す為に
多大な労力を費やしている」と、冒頭で単刀直入に
記されていることは先日も書いたが、今朝はそこのところ
をもう少し深掘りしたい。
以下も本書からの引用*****
実は、組織に属している人の殆どの人が、本来の仕事と
は別の「もう一つの仕事」に精を出している。お金も
もらえないのに、その仕事はいたるところで発生している。
駆け引きをし、欠点を隠し、不安を隠し、限界を隠す。
自分を隠すことにいそしんでいるのだ。*****
この著書とこの著書の前作である「なぜ人と組織は変わ
れないのか」は共通して「発達」という概念を中心に
据えていて、これまでの脳科学や心理学の概念を覆す、
知性は大人になってからも成長を遂げるという新たな
概念を長年の研究によって立証し書かれている。
非常に論理的でかつ現実的な事例も紹介されているのだが、
そこから気づき、学び、実践していくには、やはり越えな
ければならないハードルがある。
それが、自分自身が「もう一つの仕事」に精を出している
ことに気付くこと、認めることだ。これが、相当厄介で、
難易度が高い、でも、これが入口だから、ここを通過
しなければ、どうしよいもない。
されど、言うは易し、行なうは難し。
何故ならば、その背景には、経済優先の産業社会という
長い歴史の中で利己的な競争原理が脳細胞に刷り込まれ
てしまっているので、自己保身や自己防衛をしている当
人は無自覚だからだ。もしくは、うっすらと気づいてい
るのだが、これまでそうやって仕事をし、生きてきたの
だから、それを認めることは自分が否定されるような錯覚、
思考や行動に変化を起こしていくことへの恐れのような
感覚に支配されているからだ。
目の前に成長や変革の為のチャンスが現れているにも
関わらず、それを見て見ぬふりをして、受け容れよう
としない。本書では、「逃走(Flight)」と「闘争(Fight)」という二つのパターンで見事に描いている。
目の前にチャンスが現れているにもかかわらず、
それは以前聴いたことある、分かっている、既にやった
ことある、新たな行動を起こそうとせず、逃げる、
避けるという「逃走」のパターンと、とっさに攻撃を始
める「闘争」のパターン、「あの人は頭がおかしい」
「変わっている」「あまりに極端だ」などの言葉で攻撃する。
両パターンとも意識するしないに関わらず、
自己保身、自己防衛の為の「もう一つの仕事」にすぎない。
そう云っている自分自身がしている「もう一つの仕事」
はないか、冷静に振り返り、謙虚に認めるところから
はじめる必要がありそうだ。
今日も一日良い日に致します。
物流応援団長(兼)応援され団長
山田泰壮(やすお) 拝